Human Rights Partner ~あなたに笑顔と安心を~

アクセス | サイトマップ| WEBからお問い合わせ
 

医療過誤

医療過誤について

Q 
3年前、当時33才の妻が病院で子宮筋腫の手術をしたところ、死亡してしまいました。手術前は全く元気だったので手術をすることに不安はありませんでした。死亡したと聞いて愕然としました。手術の失敗と思うのですが、病院の責任を問うことはできるでしょうか。

A 
元気な奥さんが亡くなられてさぞ気を落とされていることでしょう。お見舞いします。
 質問の回答ですが、責任を問う方法としては、示談交渉、調停、訴訟などがありますが、その結果、病院ないし医師(以下、病院側といいます)が賠償金を支払うかどうかは場合によります。
 まず、法律の言葉でいうと、病院で診察を受けて手術をするのは、患者と病院側との間で診療(医療)契約が成立したことになります。そこで、手術等が失敗し、病院側に「責に帰すべき事由」(故意又は過失あるいは信義則上これと同視できる場合)があれば、診療契約の本来の目的にそった医療行為がなされなかった(債務不履行)こととなり、損害賠償責任が生じます。この権利の時効は10年です。ですから、手術から3年であればまだ時効にかかっていないので、裁判等で請求できます。
 病院側の(債務不履行)責任を問うには、病院側に「責に帰すべき事由」がなければなりません。この「責に帰すべき事由」がないことは病院側が立証する責任があるとされています。が、病院側は不可抗力だったと事情を挙げて主張するので、実際は、患者側が「いや、病院のミスだ」と立証する必要に迫られます。手術当時の医学水準からみて、その手術にミスがあったといえるかが問題となりますが、素人の患者側が専門家のミスを立証するのは困難をきわめます。どうしても、患者側に協力してくれる医師を探すことが必要ですが、協力者が少ないのが現状です。
 このような事情があってか(医療事故があったら何でも一度は訴えてみる風潮が原因と指摘する人もいますが)、統計によると医療過誤訴訟で勝訴する率は約30%です。しかも、証人尋問をする関係者も多くなり、判決が出て終了するまでの時間も通常の事件よりも長くなりがちです。
 困難な事情があっても、どうしても納得できないと訴訟に踏み切る人も少なくありません。一度、弁護士に相談されることを勧めます。

中小企業法務