「こんなところに日本のポスターが」 弁護士 田原裕之
ベトナムは私にとって、「雑貨の国」ではなく、「ベトナム戦争」の国だ。
ホーチミン市(旧サイゴン市)でベトナム戦争終結の舞台となった旧大統領府に行った。
あのころテレビで見た風景が目の前にあった。革命記念館にも行くことができた。
ある建物に入った瞬間目を疑った。私が学生時代にベトナム戦争反対の活動をしていた、
よく見たポスターが玄関を入った正面に貼ってある。
その建物は世界各国でのベトナム人民支援の活動を紹介する建物だったが、その正面に
日本のポスターがある。
私たちの活動がベトナムの人たちを励ましていたんだ、涙がこみ上げてきた。
最近読んだある本で、当時、ベトナム軍司令官が、日本が戦争に参加しないように運動
してくれることがベトナム人民への最大の援助ですと語っていたことを知った。
あの頃の活動の重みを今更ながらに感じた。