「愛知を平和産業都市に」
〜道を誤ればミサイル標的にも〜 弁護士 加藤 洪太郎
小中学生の頃、矢田川まわりにいくつも爆弾穴の池があってザリガニ釣りを楽しんだ。
川の南には入道雲を背に工場廃墟が林立。長じて学べば、それは、太平洋戦争さ中の
1944年12月に始まって63回に及んだ名古屋空襲の跡だと判った。死者8630名、
被害家屋14万1646戸にのぼる大惨事は、三菱発動機大幸工場(現在、ナゴヤドーム)
など軍需工場への爆撃が発端となり、次第に拡大してその基盤に及んだもの。
今、この名古屋圏域は日本の航空宇宙産業のメッカ。
鉱工業生産全国一の産業圏域となった。
南に名古屋港、北に小牧と各務原の空港を配し、間を縦横に高速道路がめぐって
圏域内を結ぶ。
高速沿線には多数の精密機械工場群と病院も。
周辺事態法に併せ有事法制の立法ともなれば、名古屋圏域が日本最大の兵站地帯と
なるのにそう時間はかかるまい。
戦場で損壊する車両・攻撃ヘリを撤収し速やかに修理して再び戦場へ、負傷する将兵を
収容して治療を施す、等々、後方支援地帯として十分なのだ。
アメリカがイラクを攻める間隙に朝鮮半島の緊張が進展する可能性、それを力で抑える
戦略は後方の兵站地域あって成り立つ。
道を誤って行き着く近未来の様相が見えよう。
日本に到達するミサイル兵器が半島にあることを甘く見てはなるまい。
その時、歴史は一気に1944年にプレイバックする。
小牧基地を廃止してユニバーサルスタジオジャパンのような文化的再開発で地域全体が
繁栄する道だってあろう。
当面の分かれ道は有事法制を通すか廃案にするか。
危険を回避して、人間の平和的生存権を守る政策を実現したいものです。
地域経済社会の平和的繁栄のために。