「ひとりごと−ああ、更年期」 弁護士 福井悦子
結婚10年目にしてようやく授かった娘は、早や、「理由なき反抗」期、
要するに第二次性徴期である。とくかくいろいろなことにむかつくらしい。
口を開けば、「うるせぇ」「お前に言われたくない!」「むかつくー」である。
顔には説明のつけにくい不満やいらだちを象徴するがごときニキビが目立ちだしている。
本人もとまどうような体の生育ぶりに、成長を司るホルモンの偉大さに感嘆せざるをえない。
私は、と言えば、やはりホルモン(の減少)のせいだろう、確実に更年期がやってきている。
自分が第二次性徴期を迎えたとき、
「こんなわずらわしいことを毎月何十年も我慢しなければならないなんて!」と、
早く終わることを願ったものだが、いざそのときを迎えると、このホルモンの減少というやつは、
「老い」そのものであることに気づかされる。
ただ、幸か不幸か、連れ合いは私以上に更年期障害に苦しんでいる。
男の更年期障害がアメリカで認知されたのが約10年前。
日本ではやっとここ2〜3年であるという。
易疲労性、手足の冷え・しびれ、不眠等々、自覚症状しかないが、本人にとっては辛い
症状に本人は毎日苦しんでいる。
(頭部、胸部、腹部等、考えられる病因を全て検査した上であることを断っておく)。
苛立ちぶりは娘の比ではない。
おかげで、私は自分の更年期にほとんど付き合ってられない。
娘と連れ合いを観察することが私の一番の更年期対策となっている。