逸失利益(いっしつりえき)
交通事故に遭わなければ,得たであろう給与や収入を指します。死亡や後遺障害が残った場合に生じます。死亡の場合は生きておれば得たであろう収入から生活費を控除した金額に就労可能年数を乗じた総額から中間利息を控除して算出します。後遺障害の場合は障害の程度により労働能力喪失率が定められ,それぞれの喪失率に応じて算出されます。
逸失利益(外国人の場合)
外国人の逸失利益については,発展途上国などとの賃金水準が異なるので問題が生じます。被害者の就労形態や今後の在留の可能性などを考慮して一定期間を日本内での収入を基準とし,それ以降を母国の賃金基準とする傾向があります。労災事件に関する判例ですが,3年間を日本での収入を基準とし,それ以降を母国の収入を基準とする最高裁判決があります。
慰謝料(いしゃりょう)
交通事故の慰謝料には2種類あります。死亡したり怪我をして苦痛や悲しみを受けた場合にその精神的苦痛に対して支払われるのが入通院慰謝料です。入通院の期間や回数に応じて金額が決まります。死亡の場合は死者の年齢や家族構成によって決まります。後遺障害慰謝料とは後遺障害が残った場合に,入通院慰謝料とは別個に障害の程度に応じて支払われる慰謝料です。