名古屋第一法律事務所

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事例紹介
相手が暴走運転でもこちらが悪い? 交通事故における「過失割合」の判断
夜11時過ぎに起きた交通事故です。相手の自動車はポルシェ、こちら(私の依頼者)の自動車は軽トラック。相手は制限時速50キロの道路を100キロを超える速度で暴走してきました。「メンテナンスから戻ってきたので調子を見ようとして他に車がなかったので試していた」と警察に供述しています。しかし、相手が走っていたのは優先道路で、こちらは一時停止線のある脇道から優先道路を横切って、向かいのコンビニに行こうとしていました。

こちらは重傷を負い、被害は甚大でした。相手(保険会社)との交渉がまとまらなかったので、訴訟を申し立てました。大きな争点が「過失割合」です。双方の責任割合を決めるものです。

訴訟では、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(東京地方裁判所の交通部裁判官が執筆したもの。判例タイムス社発行)が、過失割合を決める「バイブル」のように使われています。この「認定基準」によれば、優先道路側の過失が10、横切った側の過失が90。つまり、優先道路の走行を妨害する側が9割悪い、という考え方です。

優先道路側に暴走があったといような「修正要素」をどれだけ考慮しても、45:55にしかなりません。

しかし、依頼者は、一時停止し、左右を見たが走ってくる車は見えませんでした。相手方自動車が走っていた道路は上り坂を上った後平坦になっている。依頼者が一時停止した時には、まだ相手のポルシェは上り坂を上っていたところなので、依頼者からは見えませんでした。それで起きた事故について、優先道を横断したのだからこちらの方が悪い、と言われても納得できません。
裁判所での和解協議で、裁判官も、この「認定基準」をあてはめると、この事案ではやはり落ち着きが悪い(結果が妥当ではない)、との心証を示し、「当方3:相手方7」という過失割合を提案しました。相手の方が7割悪い、という意味です。当方は、判決になると「45:55」になることを考え、裁判所提案を受け入れました。相手方(保険会社)も裁判所提案を受け入れたので、「3:7」で和解が成立しました。

「認定基準」にとらわれず、妥当な過失割合を主張していく必要性があります。なお、この件では、裁判における和解で保険会社も裁判官の提案を受け入れましたが、裁判外の交渉で、「認定基準」と異なる示談をすることはまず不可能でしょう。
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