Q 子どもがないので養子を迎えたいと思うのですが、何か法律的な制限はありますか A 養子縁組は役所に届け出ることにより、実の親子と同様の法律関係が生じるという法律的効力が生じます。 ①成年に達した者は縁組により養親となることが出来ますが、自分の尊属や年長者を養子とすることは出来ません。 ②養子となる者が一五歳未満の場合、その法定代理人(親権者、後見人)がその者の代わりに縁組を行わなければなりません。 ③養子となる者が未成年者である場合は家庭裁判所の許可が必要となります。ただし、自分や配偶者の直系の子孫を養子とする場合にはこの許可はいりません。 ④配偶者のある場合は、未成年者を養子とする場合はその配偶者と共同で縁組をしなければなりません、その他の場合は配偶者の同意があれば単独で縁組が出来ます。また、再婚等で夫婦の一方の子を養子とする場合には単独で出来ます。 Q 生まれたばかりの他人の子を実子として届け出た場合、どうなりますか。 A まず、実子として届けたとしても法律的には実親子関係が発生するということはありません。 ただし、特別養子という制度があり、家庭裁判所の審判が必要ではありますが、実親との親子関係を消滅させ、戸籍上も養父母のみを父母と記載させる方法があります。 Q 養子は相続の場合実親からの相続は出来るのですか A 養子に行ったからといって、実の親との間に血のつながりがある以上は親子関係が切れるということはありません。従って養子は実親と養親との両方の相続人となることが出来ます。ただし、先程述べた特別養子の場合は実親との関係では相続権はないことになります。 Q 娘婿を養子としたのですが、当初の約束と違い家の仕事を全く手伝ってくれません。どのような場合離縁出来るのでしょうか。 A 離縁の場合は離婚と同じように、協議による離縁と裁判による離縁があります。話合いによる協議離縁は話合いさえつけばよいのですから理由は問題とならないのですが、裁判による離縁の場合は理由は次のように限られています。 ①養子の一方から悪意で遺棄(扶養をしないことなど)されたとき ②養子の生死が三年以上明らかでないとき ③その他養子縁組を継続しがたい重大な事由のあるとき 設問の場合ですが、程度の問題もありますが③にあたる場合も考えられます。 |
Q 非行を繰り返す二男に相続させたくないと思うのですが、そのようなことが出来るのでしょうか。 A まず、相続させたくない子以外の者に対し、財産を相続させるという遺言をすれば二男は相続出来ないことになります。しかし、民法上、遺留分という制度があって、子は法定相続分の2分の1の割合で相続財産を取り戻す権利が認められています(これを遺留分減殺請求権と言います)ので、遺言で全く相続させないとすることにも限界があります。 ところで、子が親を虐待するとか、重大な侮辱を加えたとか、その他著しい非行があった場合には相続人を廃除するという制度があります(民法八九三条)。これは、その子についての相続人の廃除の申し立てを家庭裁判所にすることが必要です。ただし、廃除は相続人の資格を失わせることですから、簡単に認められるものではなく、双方の言い分を十分聞いて、感情の対立の根本原因まで遡って慎重に判断されることになります。 そして、廃除の審判があると廃除された相続人は申し立てた被相続人との関係において相続人としての地位を失います(民法八八七条)。これにより廃除された相続人は遺留分もなくなることになります。但し、これはあくまでも申し立てた被相続人との関係においてですから、例えば父親との関係で廃除されたとしても母親や兄弟の相続人であることまで否定されるものではありません。また、廃除された相続人に子どもがいる場合はその子どもが相続することになります(代襲相続)。 なお、この相続人の廃除は遺言ですることもできます。この場合は遺言執行者が申し立てをすることになります。 また、一旦は廃除を申し立て廃除が決定したが、後に許す気になったような場合は、廃除の取消しをすることもできます(民法八九四条)。 この場も遺言によってすることもできます。 Q 実子がいなく、両親とも亡くなり兄弟しかいないのですが、この場合も特定の者に相続させたくないとき廃除の手続きを取ることが必要ですか。 A この場合は、廃除の手続きを取るまでもありません。といいますのは、兄弟は実子のような遺留分というものがそもそも認められていませんので、他の兄弟にのみ相続させるという遺言を書けばよいからです。兄弟は遺留分権利者ではない以上遺留分減殺請求権はありませんので後で取戻しということも考えられません。 |
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